JLCオンデマンド
お勧め動画

JLC On Demand | 荒木秀明コース
JLC On Demand | 蒲田和良

注目DVD商品PickUp

~ 下部体幹の機能と神経滑走性を考慮した理学療法 ~

evolve(鹿児島)
溝口整形外科
理学療法士 堂元啓智

下部肋骨、機能的姿勢連鎖、神経滑走性

【はじめに】
 歩く、立つ、起き上がる、寝返るなどの基本動作において、下部体幹は上下肢の運動を伝 達する重要な機能があると考える。実際の自分の臨床において、そういった基本動作に対し てアプローチすることが多く、骨盤帯・股関節を含めた下部体幹の機能を重要視している。
【私的な思考・疑問】
 下部体幹の評価において、胸骨下角や肋骨の変位など診る際、自分の経験する症例ほとん どが左下部肋骨が浮き上がった状態になっているのを目にする。 それは患者様に限ったこと ではなく、自分の肋骨も左下部肋骨が浮き上がっているし、研修などの実技ペアの先生方に おいても同様。自分には1歳と2歳の子供がいるが2 人とも同じような下部肋骨の形態である。
「だからなんだ!!」 と、いえばそれだけの話なのだが・・・
 機能的な問題点があり左の下部肋骨が浮き上がっているのは納得できるが、特に何もない 健常人においても、発達段階の子供においてもそういった傾向にあるのはなぜなのだろうか? 人間の下部肋骨は発達学的にそうなのか、それとも肺など内臓の位置関係の問題なのか、浮 遊肋の解剖学的・運動学的な特徴からなのか、はたまた地球の自転の影響なのか。自分の中 では解決できず疑問のままである。
 しかし、そういった下部体幹の機能に着目し、特に筋の機能的な連鎖を意識し呼吸を併用 しながらアプローチを行うことで、基本動作においても改善がみられるようである。それは、 上肢疾患・下肢疾患に限らず、どちらにも言えると考えている。
 上記のような下部体幹の機能障害に加えて、神経の滑走性に問題があるのではないかと示 唆される症例も神経症状のある疾患に限らず遭遇する。筋機能の改善にも時間を要すが、さ らに神経機能に課題が残り完治までなかなか至らないケースも多々みられ、臨床の中で四苦 八苦している。
【さいごに】
 当日は、そういった症例について日々自分が考えていることや疑問点を、参加者の皆様と 議論し、また様々な思考を共有することで、臨床に還元できる有意義な時間になれば幸いで ある。

関連動画※動画を見るには
ME73 運動連鎖アプローチ~触察と各種運動連鎖評価の方法~ 3巻
トム・マイヤーズAnatomy Trains セミナー 2010~アナトミートレインの理論と脊柱・上肢へのアプローチ~ 1巻Part-1