【非特異的腰痛】
腰痛は特異的腰痛と非特異的腰痛に分類することができる。
特異的腰痛とは画像所見や臨
床所見で、明らかな原因を特定することができる腰痛。
非特異的腰痛とは、現状の画像検査
における形態学的異常の有無では痛みの原因を説明しきれない腰痛である。
腰痛の85％は非
特異的腰痛に分類されると言われている。
つまり、腰痛の8 割は原因がはっきりしないとい
うことである。また、近年、腰痛は心理社会的要因が大きく影響していることが数多く報告
されている。これからの腰痛治療には、メカニカルな要因へのアプローチと心理的要因にも
視野を拡げたアプローチが必要と考える。
腰痛は「生物・心理・社会的疼痛症候群」という概念が一般的になりつつある。
【非特異的腰痛にどうアプローチしていくか？】
・非特異的腰痛は、姿勢や動作に依存する腰痛、メカニカルな要因のはっきりしない腰痛、
両方を合わせ持つ腰痛に分けられる。臨床では両方を合わせ持つ腰痛が最も多い印象を受
ける。
・非特異的腰痛に対してアプローチしていくためには、患者自身の「気付き」が必要になる
と考える。
・非特異的腰痛にはもちろんメカニカルなストレスも関わっていることは多いが、心理的要
因も大きく影響していると感じることが多い。
・ポイントとなるのは恐怖回避思考から抜け出すこと。その為には患者自身が「気付き」、
セルフマネージメントを行い、腰痛を自己管理していけること。
「患者にセルフケアの意欲を失わせ、自己管理に関するアドバイスができないセラピストは
痛みを慢性化させる。」
【おわりに】
腰痛の有訴率は男性では1 位、女性では2 位と常に上位を占めています。腰痛治療はその
場で痛みをなくすだけではまだ不十分であり、患者自身に自己管理できるように「気付き」を
促していくことが重要です。今回の発表では、腰痛治療に必要な「気付き」を中心に伝えて
いければと思います。よろしくお願いいたします。
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