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重複障害時代を生きる

フィジオnet. 福島
星総合病院
大柄亨

公益財団法人星総合病院リハビリテーション科では、運動器・外科疾患班、内部疾患班、脳 血管疾患班とにチームが編成されている。各班のスタッフが受け持つ患者について、情報を 共有する機会があるが、運動器障害、内科的障害などが重複した状態の方が多くなっている ということに気づいた。いや、以前から増加しており、その現状に今になって気づいたとい うべきかもしれない。
 東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻長の上月先生は、「日本の社会は超高齢社会とな り、障害を有しながら生活していく人も増加し、リハビリテーションに対するニーズは予想 をはるかに超えるほど高まっている。同時に、障害の重複化が大きな問題になってきている」 と喚起している。
 今後、私たちがセラピストとして関わる方々は、全身状態の管理が必要になることは言う までもない。
 私は運動器班に所属し、整形外科的手術を施行された方のリハビリテーションに携わる機会 が多いが、運動機能障害の一側面にとらわれ、高血圧・糖尿病などの合併症の側面、また、慢 性心不全などの内科的既往についての側面を蔑ろにしてきたのではないかという思いを持っ ている。今後、予測される社会の変化を考えると、対象者の全身状態を把握し、セルフケア と健康的な生活を獲得できるよう支援する能力が必要であると考える。
 そこで今回、このような考えを持つことができるきっかけとなった症例を踏まえながら、理 学療法士として果たしていくべく役割について意見交換をしていきたい。

【症例】
○ 80 代男性。T 字杖歩行にて自宅内ADL 自立(入浴・トイレ自立、食事は妻管理)。
生活歴:80 代の妻と2 人暮らし。週2 回デイサービスにてリハビリテーションを行っている。
服 薬:降圧剤・利尿薬4 種類、脂質異常症治療薬1 種類(自己管理下)
既往歴:両側人工肩関節置換術、左大腿骨頚部骨折、左橈骨遠位端骨折、他
合併症:心房細動、高血圧、脂質異常症
    平成16 年より、内科クリニックにて心不全に対する外来フォローがある。
転倒歴:平成25 年から過去5 年間で3 回。全てにおいて、整形外科的治療を必要とする状態     となる。
○ライフイベント
平成25 年3 月、心不全増悪により当院入院。
現病歴:慢性心不全(大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症)

【提起】
1.「高齢だから、、、しょうがないよね、、、」で済んでいいの?セラピストとして自分ができる   ことは?
2.「超高齢社会」、「重複障害時代」におけるセラピストとしての心がけは?

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「足と歩きの研究」 1巻 第1回 足の機能解剖 Ⅰ ~足部の臨床的分類と関節運動~ 【1/1】
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